新生ライティングビューロー

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去年の暮れ辺りから制作にかかっていた作品がやっと完成し納品できた。
扉の鏡板に何やら花の彫刻が施された物でそれがこの作品の特徴になっている。

元々この鏡板は大きなタンスの観音開きの扉の片方の鏡板だった。
一年前にこの大きなタンスがそのまま持ち主のwさんから工房に送られてきた。自分たちの婚礼のときの物だけど家においておくには必要ないくらい大きすぎるので処分したいのだが、婚礼の品という想い出の品なので鏡板の部分を使って何かに生まれ変わらせてくれないかということだった。なので30年以上前の物である。

数点構想してビューローにという事で今回息子さん宅に納品されたのだけれど、もともとのタンスまで私が作った訳ではないが作り手としてなんだか嬉しい。
大量生産、大量消費の中にあって我々の仕事はスローワークとも言える仕事だが本物だけが残っていく、本物だから残っていける、最初の形は変わったけれども形を変えて想いと一部が次代に受け継がれていく。そういう事って今の次代には軽薄になってきているので大きな意義のことだなあと再認識した瞬間でした。

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