一気に冬

 毎日暑い暑い。9月も末が近いというのに暑い暑いと思っていたら。
一気に冬が来た。
 我が家は標高400メートル以上の高地にあるため冬は寒いが夏は涼しく
町と比べると格段、すごしやすい。よってエアコンを使うこともなく、いやエアコンは
存在しない。だが、今年の夏はかなり違った。
 我が家は住居部分は2階建てなのだがアトリエ部分は平屋である。よってアトリエ
では夏の暑さは一気に部屋にこもる。なので例年ならば一日に一回は昼過ぎにシャ
ワーを浴びるのだが、今年は毎日3回は当たり前で多い時は4回浴びるといった毎日
だった。扇風機の出動もひと夏に1,2回だったが今年は8月中から9月中までひと月
回しっぱなしという毎日。それが昨日のかなり久しぶりに降った大量の雨と同時に寒い
日になり一気に冬到来といった感じだ。思えば今年の初めごろ「こう寒いと機械に触る
気にもなれないし早く夏になって仕事がはかどらないなぁ」なんて思っていたころが思い
出される。
 暑すぎても仕事にならなく、寒すぎても同じ。しかしよく考えると人的には寒いときは
着込めばいいだけだから冬のほうがいいかって感じだが、製作に関しては塗りものは
気温が高いほど乾きやすいので夏のほうがはかどる。人をとるか物をとるかゆゆしき
問題だがやはりここは夏に軍配ありか。。

家具屋さん

  小さいころ娘は作文に父親の仕事は「家具屋さん」と必ず書いていた。
中学校、高校と学年が上がるにつれ、父親は家具作家だということも認識
していたらしいが、それでも公には父親の職業は家具屋さんだった。
 耳慣れない人には「なにそれ、なにか書く人なの?」といわれることもある
ので、家具屋さんというほうが手っ取り早くてよい、ということでそう言っている
のだと思っていた。しかし事実は想像を超えていた。
 
 春に娘の学校の友達が家に遊びに来た時のこと。娘にとってはまったく
珍しくもない父親の仕事を友人たちは目を丸くしながら興味深く見ていた。
「〇〇ちゃんのお父さん、家具屋って言ってたけど家具屋じゃないじゃん」
 あとに学校で再開した友人からそう言われて娘は混乱したらしい。
そのことを娘から聞いた私も娘は何に混乱したのかわからないことに混乱した。

 我が家は当たり前のことだが家具製作の仕事を始めて以来、家具屋で家具を
買うなどということは一度もない。だから家具屋に行くこともなかった。娘の混乱は
どうやらそのへんにあるらしい。生まれて以来、一度も家具屋に入ったことのない
娘にとって町に家具屋さんという店が存在していることを知らなかった。すべて家具
というものは自分家のようなところで生まれているのだと思っていたようだ。だから
当然の職業として「父は家具屋さん」と言っていたらしい。
 
 私がそれを聞いて唸ったのは言うまでもないこと。まぁ、確かに娘の理屈ももっと
もなことで、すべてわかっている自分たちにとっては、改めてその違いを教えるまで
もないと思っていたがとんだ思い違いで、環境が子供に与える影響というものを改
めて考えなければいけないことを思わされたハプニングだった。