うちには15年前から猫のルナがいる。
猫を飼う時は肉丘が黒いのを飼うとよくネズミを捕ると
近所のおばあちゃんが言ってたのでさほど期待もせず
飼っていたが、そのうちになるほどと思うほどよくネズミを
捕って来た。ある時は床下に潜り、ある時は天井裏にと家中を
さまざまに忍び歩いてよく捕っていたものだ。
おそらく家にいる気配はなかったので外で捕ってくるのだろう。
当然、戦利品は毎回見せにくる。猫を飼っている人は知っていると
思うがあの独特な奇妙な鳴き声で外で鳴いているからなんだろぅ?と、
扉を開けると慢心の顔で口に何か持っている。
ほとんどはちいさな白っぽいハツカネズミなので少々かわいそうにも思うが
ルナはそんな気持ちもおかまいなしに投げたりいじったりと散々もてあそんだ
あげくおかしな音がするなと思ったらバリバリと食っている。
「えぇー!!まじっ?!」 はじめての時はびっくりだったが
ルナにしてみればあたりまえのことらしくその後は毎回きっちりと
シッポまで残らず処分して後に残るのは内蔵のみという、そしてまた
内蔵の残り方が素晴らしく、手を使ってる訳でもないのに内蔵の配列が
崩れることなく綺麗に取り出したように内蔵だけそこに残っている図は
手品を見せられているようだった。
そしてたまに何か姿が違うような...と思ってよく見るとモグラを間違えて
捕ってくる。しかし彼女にとってモグラはまずいのか手つかずでそこに放置され
ているのが常であった。
そんなルナも御年15歳になり家に寄り付かなくなりほとんどは外で過ごし
飯だけもらいに帰ってくるという飼いノラ状態である。
野生をなくした人間から見れば、ペットであるルナのねずみ捕りはゲームのよう
に思っていたが、野生のルナにとっては単に習性ということだけではなく、生活
のための狩りだったのだと改めて思った次第である。